アボカドに含まれている栄養とは?
「世界一栄養価の高い食材」としてギネス記録に認定されるほど、栄養が豊富なアボカド。
特に抗酸化作用のあるビタミンEやオレイン酸、葉酸などが含まれています。
その栄養価の高さから「食べる美容液」と呼ばれています。
今回は、アボカドの栄養と効果についてご紹介していきたいと思います。
アボカドの基本情報
【アボカドの別称】
ゴツゴツとした表皮が動物のワニに似ていることからそう呼ばれるようになったようです。
【分類】
※常緑高木とは、一年中緑の葉をつける「常緑樹」のうち、樹高が高いもののこと。
【品種】
- 数百〜千数百もの品種があり、卵形、洋梨型、球形、偏球形などいろいろあります。
- 色は熟しても緑色のままのものが多い。
- 日本で販売されているのは「Hass(ハス)」種と呼ばれる品種です。他の品種は熟しても緑色か暗い緑色になるだけですが、ハス種だけは、熟すと皮が黒くなります。
【原産地】
【特徴】
- 高温多湿の生育環境を好みます。
- 実生(※)でよく発芽はするが、果実はできにくいです。
- 結実させることをもく的とした場合は、接木したものを使います。
※実生とは、種子から発芽したばかりの植物のことで、一般にいう「芽生え」のことです。
アボカドのカロリー(100gあたり)は以下の通りです。
160kcal
たんぱく質:2g
脂質:14.66g
(飽和脂肪酸:2.126g、多価不飽和脂肪酸:1.816g、一価不飽和脂肪酸:9.799g)
炭水化物:8.53g(食物繊維:6.7g)
アボカドの栄養
果肉の約20%が脂肪分であることから、「森のバター」とも呼ばれています。脂質が多いから、太るんじゃないか、というイメージを思い浮かべるかもしれません。
ですが、アボカドには体内で合成することができない「不飽和脂肪酸」が含まれています。
不飽和脂肪酸もいくつか種類があり、その中でもアボカドに含まれているオレイン酸は、悪玉(LDL)コレステロールの抑制や動脈硬化・高血圧を予防するなど、「健康に良い油」です。
アボカドの他にも、オリーブ油やキャノーラ油、イワシ、サバなどの青魚にも不飽和脂肪酸が含まれています。
それ以外にも、食物繊維、ビタミンE、K、葉酸、カリウムなど、アボカドにはたくさんの栄養が含まれています。
【食物繊維】
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類あり、どちらも体内で吸収されることはありません。しかし、健康のために必要な栄養素のため、「第六の栄養素」と言われています。
水溶性食物繊維の特徴
- 水に溶けやすく、溶けるとゼリー状になり、食べ物の移動を緩やかにする働きがあります。
- 主に野菜類や果物類(主にりんごや柑橘類の皮)、こんぶ、こんにゃく精粉(※)などに含まれています。
- 腸内細菌にある善玉菌のえさになって、腸内環境を整えてくれます。
- 血糖値の上昇やコレステロールの増加を抑えてくれます。
※板こんにゃくや糸こんにゃく、しらたきになると不溶性食物繊維が多くなります。
不溶性食物繊維の特徴
- 水に溶けないため、水分を吸収して膨れるため、便のカサを増やすので、排泄しやすくしてくれる効果があります。
- 腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにしてくれるため、排便を補助してくれます。
- 穀類、豆類、野菜・果物類に含まれています。
【ビタミンK】
脂溶性ビタミンの一種であり、油脂に溶けます。ビタミンKにはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類があります。
ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、K2は微生物から生産されます。
ビタミンKの役割
- 骨を丈夫にする
- 血を止める
ビタミンKを過剰摂取しても特にないが、血栓症の人は摂取量を制限される
逆に不足すると
- 血液を固める力が弱くなるため、鼻血が出やすくなる
- 内出血ができやすくなる
- 骨粗しょう症になりやすくなる
- 赤ちゃんや子供は、消化器官の出血などの症状を引き起こす
【ビタミンE】
ビタミンK同様、油脂に溶ける脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンEの働き
- 抗酸化作用が非常に強い
- 血中のLDLコレステロールの酸化の抑制
- 赤血球の破壊の防止
- ビタミンCと合わせると、ビタミンEの抗酸化力のアップ
- 老化予防や抗ガン作用、血行促進作用が期待できる
過剰摂取すると血液が止まりにくくなることが知られています。実際は、摂取量の3分の2が便として排出されます。
そのため、通常の食事の範囲での過剰症はほとんど起こりません。
不足すると
- 抗酸化作用が低下するため、シミやシワができやすくなる
- 血行が悪くなり、頭痛や肩こりを起こしやすくなります
【葉酸】
水溶性ビタミンB群の一つで、妊娠中に重要な栄養素です。
何故かといいますと、葉酸は細胞分裂や成熟を大きく左右します。そのため、胎児にとって特に重要な栄養成分であることがいえます。
十分量の摂取により、二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖障害のリスクが低減できます。
↓↓
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/information20110527_NCAC.pdf
葉酸の働き
過剰摂取すると、高齢の方はビタミンB12欠乏が判断しにくくなり、神経障害を悪化させる可能性があります。
不足すると
【カリウム】
体内に存在する量がもっとも多いミネラル。細胞の浸透圧(※)を維持したり、水分を保持したりするなど、重要な役割を持っています。
※同じ溶質が溶けている濃度の異なった容媒が半透膜を境にして接触させるときに生じる圧力のこと。
カリウムの働き
- ナトリウムとともに細胞の浸透圧の維持
- 血圧を下げる
- 体に含まれている余分な塩分(ナトリウム)を体の外に出す
過剰摂取すると、手指・唇のしびれや意識がなくなったりします。酷い場合だと、不整脈を起こして、危篤状態になります。
不足すると
- 筋力低下
- 筋肉のけいれんやひきつり
- 麻痺が生じたり、不整脈を起こすことがある
アボカドの効果
【美肌効果】
血流を良くしたり、細胞の新陳代謝をよくしてくれるビタミンEが含まれており、その含有量は、3.3mg(100gあたりのビタミン量)です。
他にも、肌のシワやたるみ、肥満なども予防してくれます。そのため、「森のバター」以外にも「食べる美容液」ともいわれています。
【ダイエット効果】
「体に溜まってしまう脂肪(飽和脂肪酸)」と「体に溜まらない脂肪(不飽和脂肪酸)」の2種類があります。
その中でも「不飽和脂肪酸」がアボカドにはほとんど含まれています。
不飽和脂肪酸には、余計な脂肪を体の外に排出してくれる働きがありますので、アボカドには「脂肪を蹴散らしてくれ‼︎」の働きがあるといえます。
【腸内環境の改善】
アボカド1個分には、ゴボウ1本分の食物繊維を含んでいます。
排便をスムーズにしてくれる「不溶性食物繊維」と善玉菌のエサになる「水溶性食物繊維」の2種類を含んでいます。
2種類の食物繊維の働きによって、腸内環境が改善されるため、免疫力のアップしてくれます。
まとめ
- 日本で販売されている品種は他の品種と違い、熟すと暗くなる
- アボカドの20%は脂肪分だが、体に良い脂肪が含まれている
- 「森のバター」以外に「食べる美容液」といわれている
- アボカドには水溶性と不溶性の2種類の食物繊維が含んでいる
美容・健康、ダイエットにも効果があると言われているアボカドですが、脂質が高い分カロリーも高めになっています。
ですので、食べられるのでしたら、1/2個程度にしておくのが良いかと思います。
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