卵の賞味期限はいつまで?正しい保存方法とは?
家庭に必ずあるといっても過言ではない食材「たまご」ですが、実は賞味期限がきれても加熱調理すれば食べられる食材だということをご存知ですか?
今回は卵の賞味期限と、保存方法についてご紹介していきたいと思います。
卵の賞味期限とは?
農林水産省によると卵の賞味期限とは、たまごを安心して「生食」できる期限のことです。
また、日本のたまごの賞味期限は「夏場に生で食べる」ことが前提とされています。
そのためたまごの期限は採卵後、
- 夏期(7〜9月)は16日以内
- 春秋期(4〜6、10〜11月)は25日以内
- 冬期(12〜3月)は57日以内
となってますが、あくまで、「生で食べる」ことを前提としていますので、賞味期限を過ぎていても、加熱調理すれば十分食べられるそうです。
期限が過ぎた場合は、できるだけ早く加熱調理(中心温度が70°で1分相当が目安)してからであれば問題ありません。
但し、期限内でも「ひびがはいってたり、適切な保存状態(10°以下で保存)が保てなかった」たまごでも、生食はやめて、加熱してから食べた方がいいです。
【何故、期限内でも生食はやめた方がいいの?】
卵の殻には、食中毒の原因となるサルモネラ菌が付着しています。
【サルモネラ菌とは】
- 主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種
- 川に生息しているスッポンやウナギなどもサルモネラに汚染された可能性があるため、鰻の蒲焼などの食品にも注意する必要がある
ひびがはいってたりすると、殻に付着したサルモネラ菌が卵の中に入ってしまうことがあるからです。
日本で市販されている卵は、生で食べることも想定されていますので、出荷前に殺菌消毒されている卵がほとんどです。
しかしごく稀に、卵の中身がサルモネラ菌に侵されている可能性がありますので、特に生卵で食べる場合は、注意が必要です。
卵の賞味期限の確認方法
【卵を割る場合】
新鮮な卵は、卵黄が盛り上がり、内側の濃厚な卵白も盛り上がります。
卵黄もしっかり包み込んでいます。
【卵を割らない場合】
10%の食塩水の中に入れ、そのまま沈んでいれば、新鮮な卵の証です。
卵の保存方法
はじめに言っておきます。
「冷凍保存はあまりお勧めしません」
殻つきで保存すると、中身が膨張して割れます。卵白は、冷凍しても解凍すると水っぽくなりますが、卵黄は固まったままの状態になります。
また殻を割っての冷凍は、菌が繁殖しやすくなります。冷凍しても菌は「眠っているだけで、死んでいるわけではない」ので、常温で解凍しているうちに、菌が増えてしまうことも考えられます。
今から約25年前に東京都内で食中毒が80件も発生されました。
そのうち、サルモネラによる食中毒は22件であり、その中でSEは16件であり、全食中毒事例の20%を占めています。
サルモネラ食中毒事例↓↓
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/epid/y1996/tbkj1704/
SE(サルモネラ・エンテリティディス)は、鶏の潜んでおり、産卵時に付着すると考えられています。
【SEの特徴】
- 乾燥には強いが熱に弱く、70°のお湯で1分で死にます
- 極めて低い確率で鶏卵を汚染します(1万個に3個程度)
- 汚染された卵の菌数は数十個であり、冷蔵保存なら増殖しません
- 感染した鶏はほとんど無症状のため、発見は難しいとされています
- 鶏、豚、牛などの動物の腸管や河川、下水などの自然界に広く分布しています
【予防のポイント】
- 卵は新鮮なものを購入(賞味期限の確認)
- 食肉や卵などを扱った手指や調理器具そのつど必ず洗浄消毒をする
- 調理の際は、必ず中心部までしっかりと火を通す
- たまごを割った後は、直ちに調理して早めに食べる
もし、卵で冷凍しようと考えている方は、「錦糸卵」や「炒り卵」などで、加熱調理してから保存した方がいいです。
卵は常温でも保存はできるの?
結論から言いますと、卵は季節に関係なく常温で保存はできます。
「え?」「本当に?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、スーパーで売られているたまご売り場を思い浮かべてください。
スーパーで売られているたまごは、肉や魚などの冷蔵棚ではなく、常温で陳列されている場合が多いかと思います。
その理由は、結露による痛みを防ぐためです。
たまごは非常にデリケートな食材です。
急激な温度の変化は結露の原因となり、痛みやすくなってしまうからです。
【何故、結露ができると痛むの?】
卵殻には、気孔といった呼吸をするための小さな穴が、いくつも空いています。
気温や湿度の差が激しく、結露が殻についてしまうと、付着した雑菌が卵の中に入り込んでしまう可能性があります。
その結果、卵が痛んでしまう原因になります。
スーパーで常温でも売られているのは、こうした気温・湿度の変化を少しでもなくすためだからです。
スーパーによっては冷蔵コーナー売られている卵もあります。もし冷蔵コーナーで購入した場合は、常温で販売されている卵以上に温度変化に気をつけ、帰宅後はすぐに保存しましょう。
仮に常温で保存する際は、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。
卵を長持ちさせる保存とは?
皆さんはたまごを冷蔵保存する時に、向きについて意識したことはありませんか?
「え?保存する時に向きは関係あるの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、関係あります。
たまごを保存する際、「丸いほうを上に、尖ったほうを下に」するのが正解です。
【何故、丸いほうを上にする方がいいの?】
パック詰で売られているたまごをよく見ると、たまごの尖った方(鋭端部)が下に、丸い方(鈍端部)が上向きに収納されています。
この向きの方が卵黄が安定するからです。
丸い方には気室と呼ばれる空気の部屋があり、こちらを下にした場合、上方へ移動しようとするため不安定になり、品質の劣化に繋がるからです。
まとめ
今回の記事をまとめますと、
- たまごの賞味期限とは、安心して「生食」できる期限のことである
- 期限は、季節によって異なる
- 期限ないであってもひびがはいってたりする場合は、生食はおすすめしない
- たまごの冷凍保存はおすすめしない
- 殻つきで保存すると、中身が膨張して破裂する
- 菌は冷凍しても眠ってるだけで、死んでいるわけではない
- 季節に関係なく常温保存ができる
- 保存する際、丸いほうを上に、尖ったほうを下にした方が卵黄が安定する
いかがでしたでしょうか。少しでも長持ちさせたいなと、考えている方がおられましたら今回の記事を参考にしていただけたらなと思います。